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名古屋大学 学生支援本部
アビリティ支援センター

進学希望の方

入試における配慮

1.配慮について

名古屋大学では、入学試験に関する障害に由来する障壁を取り除くための個別の配慮(調整)を提供しています。たとえば、以下のようなことがあります(共通テストでの配慮に準拠していますが、それに限るものではありません)。

  • 視覚的問題があるための問題用紙や解答用紙の拡大
  • 聴覚的問題があるための支援補助機器の使用
  • 聞き取りの問題があるためのリスニングにおける配慮(イヤホンの使用など)
  • 書字障害のための電子デバイスによる解答の許可
  • 読み書きの困難のための試験時間の延長
  • これらの対応のための別室での受験

など

2.配慮の提供される入試

名古屋大学の実施するどの入試においてもこうした配慮は提供されています。

配慮(調整)の内容は一律に適用されるのではなく、それぞれの受験生と試験の目的や性質に応じて個別に検討されます。内容の決定には一定の時間がかかりますので、早めにご相談ください。

3.窓口

NU START GUIDE:入試全体について

募集要項:各募集要項より「入学者選抜」−「受験上の配慮を必要とする者の出願」をご覧ください。

アビリティ支援センター:入試や入学後の配慮について

入学後の配慮

1.合理的配慮について

名古屋大学では、障害の有無に関わらず同等の教育の機会を保証するために合理的配慮の提供を行っています。合理的配慮については以下のようにまとめられています。
障害のある者が、他の者と平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、大学等が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある学生に対し、その状況に応じて、大学等において教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」であり、かつ「大学等に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの

障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)

詳しくは下記をご覧ください。

合理的配慮

2.入試における配慮との連続性

入試における配慮の提供された学生に対しては、入学後の合理的配慮手続きをスムーズに進めるために、合格後の入学手続きがされた段階で、アビリティ支援センターより連絡を取ることがあります。また、合理的配慮に必要な書類が入試における配慮申請の際の提出書類に含まれていれば(たとえば医師の診断書など)、そうした書類提出の必要がないことがあります。

合理的配慮の内容についても入試における配慮を念頭に検討します。ただし、授業においては入試とは各種条件が異なりますので、必ずしも同一の内容とはならないことをご了承ください。詳しくは面談を通じて検討していきます。

入学後の合理的配慮についてあらかじめお知りになりたい方は、事前にアビリティ支援センターまでご連絡ください。

入学直後のつまずきやすさ

1.入学直後の生活

入学直後にはたくさんの手続きがあります。たとえば、以下のようなものです。

  • 入学式への出席
  • 学部・学科でのガイダンス
  • 履修の手引き等の熟読と理解
  • 履修手続(オンライン)
  • 学内ネットワークへの接続申請(含 e-learning)
  • 名大ポータルへの接続
  • 英語の試験
  • 生協への加入
  • 保険の加入
  • 履修科目登録の確認・修正
  • クラス会
  • サークル紹介

(人によって)

  • 履修相談会への参加
  • 修学支援の相談

入学後数日〜1週間ほどの間にたくさんの新しい情報に接することになります。学内の施設や建物についても不案内な状況で、新しい仕組みに慣れなければいけません。そのため、学生は入学直後から負荷の高い状況に置かれます。これをスムーズにこなしていく学生がいる一方、ここでつまずきが生じる学生もいます。

たとえば履修の仕組みがよく分からない、オンラインにうまく接続ができない、その結果履修登録がうまくいかなかった、結果として前期の単位が少なく、その後の履修が困難になる、といったことです。ドミノ式に困難が続いてしまうことがあります。

こうした問題を避けるために、履修相談会を利用したり、修学支援(合理的配慮)の利用をご検討ください。

履修相談会の案内:学生支援本部

修学支援(合理的配慮):アビリティ支援センター

2.大学生活

大学生活は、高校までの生活と大きく変わります。たとえば、以下のような点で違いが見られます。

構造化の違い

  • どの科目を取るかで時間割が変わります
  • 同じ教室で授業を受けるわけではありません
  • 授業への参加者も科目によって異なります
  • 毎日担任と会うことはありません
  • 必ずしも教科書がありません
  • 問題集などもありません
  • 成績評価の形式が科目によって異なります
  • 空き時間を過ごす場所が決められていません

能動的な自己決定

  • どの科目を取るかを自分で決めます
  • 1日授業があるわけではなく、自分なりの生活パターンを自分で決めます
  • 教室がなくクラスメートがいないため、友人選択は自分次第になります
  • 余暇の時間が自由になり、自分なりの過ごし方を見つけます
  • 進路選択や就職活動には自分から取り組みます
  • 困った時の相談も自分から行うことになります

高度な社会的関係

  • 大学生になると相互理解にもとづくコミュニケーションが求められるようになります
  • 実験や演習などのグループでの打ち合わせではギブ・アンド・テイクの関係が求められます

一人暮らし

  • 浪費など金銭管理の問題が生じやすくなります
  • 掃除、洗濯を自分で行う必要があります
  • 日々の洋服の選択や季節の衣替えをすることになります
  • 昼夜逆転など生活のリズムが崩れやすくなります

高校までは同じ教室で同じクラスメートと授業を受けていました。そのため、自然と必要な情報が得られたり、会話ができていたかもしれません。しかし、大学ではそうした「自然な」機会が失われます。このため、人によっては情報の見落としやスケジュールや課題の自己管理の失敗などが生じやすくなります。

自由な時間が増えることで、生活のリズムが崩れやすくもなります。暇な時間を持て余してインターネットやゲームで時間を浪費することになったり、一人暮らしでは家族がいないことで時間の区切りが生まれないといった問題も出てくるかもしれません。その結果、午前の授業への遅刻・欠席などが生じやすくなります。

こうしたつまずきから、単位履修が進まず、留年や休学などにつながることもあります。あらかじめ、このことを心に留めて準備をするとともに、困難が生じた際には、早めに相談に来てください。